2016年11月6日日曜日

笑わない数学者

『すべてがFになる』や『冷たい密室と博士たち』に比べると、トリックにITが絡まないので、用語の難易度は低いかな?萩原刑事が定着すると、犀川探偵と萩原刑事との協力関係が成立し、漫画チック街道驀進?

 何を書いてもネタバレになってしまいそうなので、私がインパクトを受けた天王寺翔蔵博士と、犀川創平の言葉をピックアップしたい。

 先ず、天王寺博士「人間の最も弱い部分とは、他人の干渉を受けたいという感情だ。自己以外に自己の存在を求めることが、人間の本能としての幻想だ。」
 
 自分の弱い部分を抑圧し、プラネタリウムの地下にこもる老いた数学者…博士の求める自由とはいったい何なのだろう?

 次に犀川「どんな斬新な思想も、どんな先進の才能も、最後は防御にまわるものだ…純粋に攻撃的な行為、戦争や殺人でさえ、最後は防御になる…弱いから防御するんだ…」

 今のところ、提示された謎を解き続けている犀川創平だが、今後、純粋に攻撃的な行為など、何かを求めた行動をすることがあるのだろうか?

 これらは、いずれも森博嗣さんご自身の人生観なのだろうと思うのだが、作品の世界観を特徴づける効果的なスパイスになっている。

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